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遅れながらもコンビニ人間読んでみた

少し遅れましたが2016年芥川賞受賞作品コンビニ人間読んでみました

昨年は芸人の又吉さんが火花で芥川賞をとって色々話題になりましたが、このコンビニ人間もなかなか話題性ありますよね。

なんといっても筆者自身がコンビニで働きながら執筆活動してるという。そして芥川賞発表時もコンビニでバイトをしていたとか。

筆者曰くコンビニにはたくさんの人間が来てそれを毎日観察しているといいアイデアが生まれるらしいです。

僕もスーパーでアルバイトをしていたので何かわかるような気がします。世の中いろんな人がいますからね。そしてその人達の生活を勝手に想像したりして時間つぶしたりしてました。まぁ僕のバイト先は忙しすぎてあまり上の空で立っているという状態はなかったのでほとんど黙々と仕事してましたが。

 

さて、本題のコンビニ人間ですが、この作品のテーマは多くの人がただ刻々と変化のない、ある意味平和な生活、普通の生活について改めて考えさせる作品です。

僕の率直な感想は主人公の女の人が嫌い過ぎて終始イライラ、そしてその女の人に寄ってくる新入りバイトの男の人にもイライラ。

社会の歯車に自らなりたがり、その社会に埋まることで得られる、皆と同じであるという安心感を得ることだけを幸せだと感じる主人公がとても嫌いでした

。でも皆さんも主人公と変わらないんじゃないですか?イヤだと思いながらも結局安定という名の日常に埋もれる、仕方ないじゃないかとその事実に半ば諦めている。

違いますか?僕はまだ学生なので小さなコミュニティにしか所属していません。

しかし、時が来れば社会に出て世の為に働きますよね、多分。

そうなった時、果たして僕はこの嫌いな主人公とは違った生活を送れているのか、はたまたもがき苦しみながらも徐々に埋もれ、安定を求めていくのだろうか 。

今はまだわかりません。でも、この小説を読むことによって自分の理想の生活が逆に浮き上がり意欲が湧いてくる感じはしました

。まだまだガキンチョの僕は以前までハッピーエンドの話ばかり読できたようにおもいます。でも最近色んな小説を読んだり映画を観たりして、話の終わりから更にその続きを、何を最終的に伝えたかったのか、逆に僕はこの作品によって、何を伝えられたのか等を考えるようになりました。

そういう意味ではこのコンビニ人間はハッピーエンドなんかじゃなく、最後まで読者である自分が考え抜けるように仕向けた作品なのかなと思います。

文体自体も簡易な表現で難しくなく、すぐに読み終えることもできその点ではあまり読書をしない方や、苦手な方にも向いている本だと思います。

将来、目の前の仕事に精一杯でただ刻々と過ごしている時にまた読み返して気をふるいたたせようと思います。